絵なんぞわからん。

 

小説は物語の冒頭と結末に、作者の思いが1番強く書かれていると、ある人は言いました。

 

その冒頭にあたるブログの1ページ目です。

ですが、今は小説を書きたいわけではないのでサクサクと話を進めさせてもらいます。

 

『美しき愚かものたちのタブロー』原田マハ

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初めての小説のレビューということで「どの本にしようかな」と、悩みに悩んだのですが(1分くらい)、やはり私が最も尊敬する作家の小説を選びました。

 

原田マハさんの小説の魅力といえば、"史実に彼女なりの脚色を加えて読み手側が物語に入り込みやすく、史実をよりドラマチックにしてくれるところ"だと私は思います。

今作もその魅力を存分に味わせてもらいました。

 

遠く離れた異国の地の名のある画家達(ファン・ゴッホパブロ・ピカソクロード・モネ等)の作品を何故、私たちが現代の日本で美術館に気軽に見ることができるのか?

過去に実在した"松方幸次郎"とは一体何者なのか?

どうして日本に美術館を建設したいと思ったのか?

そして、その夢を叶えるまでにどんなドラマがあったのか?

 

正直、私はマハさんの小説に出会うまではアートとは無縁の世界を生きていました。

ですがある日、書店でなんとなく彼女の本(楽園のカンヴァス)を手に取り、彼女の文章、物語に触れているうちに一年が経った現在では、美術館での絵画鑑賞や天才画家と言われた偉人達の生涯を追求する楽しさを知ってしまい、こうしてブログを書いています。

 

きっと、このブログを読んでいる、一年前の私と同じように"アートに全く精通していない"貴方も、"それなりに絵画は知ってて、美術館も行ってます"という貴女も、この本を読め胸が熱くなり、「あぁ、美術館行きたいな」と思えてくるはずです。私はなりました。

 

スマートフォンやパソコンさえあれば、わざわざ美術館や図書館に出向かなくても、気軽にアートに触れることのできる時代です。

ですが、その面倒を乗り超え、自分の足で作品のところに行き、向き合うという経験はきっと、素晴らしい体験に繋がると私は信じています。

 

美しき愚かものたちのタブロー

美しき愚かものたちのタブロー